指向性スピーカーとは

指向性とは

空中に出力された音や電波の伝わる強さが、方向によって異なる性質を「指向性」といいます。スピーカーの指向性とは、スピーカーの音がどの方向により強く伝わるかを意味します。

指向性が強いとは、音の進む幅が狭く限られた状態です。その特性を生かした指向性スピーカーは、ATM端末操作時のアナウンスや、博物館での各展示品の説明など、特定の場所に特定の音を届けたいシーンで活用されています。詳しくは次項の「指向性スピーカーとは」をご参照ください。

指向性が弱い、または指向性がないとは、音の進む幅が広く限定されていない状態です。このとき音は、水輪のように全方向に向かって進みます。ピアノやヴァイオリンを室内で鳴らすときは指向性がない状態に近く、そこに壁や天井からの反射音が加わることで、より美しい響きと自然な音質が期待できます。無指向性スピーカーは、そのような音に包み込まれる心地のよい音響体験を狙ったもので、ショップやレストランのBGMでよく使用されています。


図1 棚の上に無指向性スピーカーを設置。会場のすみずみまで音が響き渡る。

図2 天井裏に無指向性スピーカーを設置。会場全体に音が降り注ぐ。
(弊社取扱製品:SSP6

指向性スピーカーとは

指向性スピーカーとは、特定のエリアにのみ限定して音を届けるスピーカーです。指向性スピーカーを利用すると、駅構内やエンターテイメント施設など雑踏音が多い場所で、狙ったエリアに遠くまで明瞭な音を届けることができます。またホールや体育館といった大きな会場で、音が天井や壁に反射することを防ぎ、聞き取りやすくするためにも有効です。ここでは代表的な2つの指向性スピーカーをご紹介します。

ラインアレイスピーカー

ラインアレイスピーカーは、複数のスピーカーユニットを縦方向に一直線に並べたものです。ラインアレイスピーカーの特性は、音が垂直方向には広がらず、水平方向にのみ広がる(※1)ことです。そのため天井や壁からの反射音を抑え、狙ったエリアに明瞭な音を届けることができます。コンサートやイベント会場で活用されています。

※1 指向性制御には限界があり、ある一定の距離を越えると理想的なラインアレイ効果を保ちにくくなります。詳しくはお問い合わせください。

ラインアレイスピーカーを会場の両サイドに設置。縦長のスピーカーから一定方向に音が進み、後方座席までクリアな音質で伝わる。
(弊社取扱製品:M&N ラインアレイスピーカー

図3

平面波スピーカー

一般的なスピーカーは点音源から全方向に等しく音が伝わる球面波を利用していますが、平面波スピーカーは、前方にだけ進む平面波を利用しています。平面波スピーカーには、聞かせたい方向にだけ音を届ける、自然な音を再現できる、距離が離れても音が減衰しにくいといった特徴があります。残響や雑音が多い場所でも明瞭に聞き取ることができるため、駅のホームや商業施設、大学や国会議事堂で活用されています。

弊社取扱製品:FPSスピーカー

超指向性スピーカーとは

指向性スピーカーの中でも特に指向角度が狭いスピーカーのことを、超指向性スピーカーといいます。超指向性スピーカーは、サーチライトを当てるように狙った場所にピンポイントで音を届けます。超音波(※2)を利用するため「超音波スピーカー」や、音を作り出す方式から「パラメトリックスピーカー」と呼ぶこともあります。


図4 スピーカーからサーチライトのように音が出て、デジタルサイネージの前に立つ一人にだけ点射。他の人には音が聞こえない。

※2 音波には人が聞き取れないほど低いものから、高いものまであり、その高低を周波数で表します。人に聞こえる周波数の範囲(可聴域)は、20Hz(低)〜20kHz(高)ほどです。こうした人の耳に聞こえる音を「可聴音」、人の耳に聞こえないほど高い音を「超音波」、人の耳に聞こえないほど低い音を「超低周波音」といいます。伝える空気がない宇宙では、音は聞こえません。

理想的な音場をつくるためには、使用する環境と目的に合ったスピーカーを選択することが大切です。弊社では「どんな音をどこでどのように鳴らしたいか」というご要望を伺ったうえで、お客様に最適なスピーカーをご提案いたします。どうぞお気軽にお問い合わせください。

おすすめの超指向性スピーカー

おすすめの超指向性スピーカーをご紹介します。

audfly mini

縦7cm、横17cm、幅4cmの小型超指向性スピーカーです。アンプを内蔵しているため、設置が非常に簡単です。従来の超指向性スピーカーでは設置が難しかった狭い場所や、一人向け端末など、幅広いロケーションに対応可能です。

audfly miniの詳細はこちら>

HSS-3000

超指向性スピーカーのパイオニアブランドとして、米国で最も流通している機種です。ステレオ仕様の専用アンプによる立体的な音感が特徴です。高い性能とコストパフォーマンスに定評があり、エンターテイメントや展示会場、ミュージックシーンで活用されています。

HSS-3000の詳細はこちら>

ACOUSPADE II

指向性においてトップレベルを誇る機能と美しいデザインを兼ね備えた超指向性スピーカーです。厚さわずか2.2cm、ヒートシンクレスアンプを内蔵(注3)しています。美術館や図書館、ショールームでも活用されており、周囲の静けさを保ちつつソフトでクリアな音を耳元に届けます。

注3 画期的な新しいデジタル信号処理システムと、ヒートシンク(冷却装置)を全く必要としない効率的なアンプについては特許出願中です。

ACOUSPADE IIの詳細はこちら>




弊社では、このほかにも様々な種類の超指向性スピーカーを取り扱っています。用途に合わせて最適なものをご提案させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。

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